昨今、サーバーやデスクトップ、ネットワーク、ストレージの仮想化の活用が広がっています。サーバーの仮想化は稼働率の低いサーバーなどを集約することで省スペース化をすることができます。
集約したサーバー内で複数のOSを稼働させることによりCPUやメモリなどのリソースを共有して有効に活用することができます。
一方、ユーザーが、直接使うクライアントPCに仮想環境を構築する意味は複数のOSを利用してアプリケーションのテストすることなどできます。プログラム開発などの環境を仮想内に構築して開発を行っているという方も多いのではないでしょうか。
今回は、Windows 11リリースして1カ月たちましたので、そろそろ環境のテストをしたい方も多いかと思います。仮想環境内にWindows11のインストールをMicrosoft の無料の仮想環境 Hyper-Vで構築していく方法を紹介します。
Table of Contents
Hyper-Vの設定
無料の仮想環境Hyper-VはWindows8移行で標準で搭載されたました。ただ、誰もが使うソフトではないので無効化されているので有効化に設定を変更します。
①「スタート」を右クリックして②「アプリと機能(F)」をクリックします。
「プログラムと機能」をクリックします。
「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリックします。
①「Hyper- V」にチェックを入れて②「OK」をクリックします。
再起動を求められます。「今すぐ再起動(N)」をクリックします。
もし、「Windowsの機能」で「Hyper-V」の項目が表示されていない場合はBIOS画面で「Virtualization Technology」を有効化します。
BIOSの起動の仕方はパソコンメーカーによって違いますのでWEBで確認してください。
BIOSの画面もメーカーやマザーボードの種類によって違いがでますThinkPadの場合、「Security」から「Virtualization」に進みます。
「Intel(R)Virtualization Technology」と「Intel(R)VT-D Feature」を「Enabled」有効にします。
Windows 11のISOファイルのダウンロード
Windows 11のISOファイルをを使ってインストールをしていきます。
ダウンロードサイト
Windows 11 をダウンロードする (microsoft.com)
マイクロソフトのダウンロードサイト内にある「Windows11ディスクイメージ(ISO)をダウンロードする」の項目で①「Windows11」を選択して②「ダウンロード」をクリックします。
「製品の言語の選択」画面で①「日本語」を選択して②「確認」をクリックします。
ダウンロードボタンが表示されますので「64-bit ダウンロード」をクリックします。
ファイルの容量は5Gほどありますのでネットワークの環境によっては1時間ぐらいかかります。
仮想環境のセッティング Windows 11
Hyper-VにWindows11をインストール設定を行います。
①「スタート」ボタンをクリックして
②下へスクロールして「Windows管理ツール」をクリックします。
③「Hyper-Vマネージャー」をクリックします。
①「Hyper-Vマネージャー」をクリックして「コンピューター名」をクリックします。
②「新規」をクリックして「仮想マシン(M)」をクリックします。
「次へ」をクリックします。
①仮想マシンの名前を入力します。
②「次へ」をクリックします。
①「第2世代(2)」を選択します。
②「次へ」をクリックします。
(第1世代と第2世代の違いを簡単に説明すると第1世代はBIOSベースで第2世代はUEFIベースになります。第1世代はサポートOSの制限はありませんが、Windows11はセキュリティ面が高い第2世代でしかインストールができません。パフォーマンス的には第1世代と第2世代あまり違いはないようです。)
①起動メモリをは 4 ギガバイト (GB)以上に設定します。
(Windows11最低ハードウェア要件が4ギガバイト以上です。)
②「次へ(N)」をクリックします。
①ネットワークアダプタを「Default Switch」にします。
②「次へ(N)」をクリックします。
①仮想マシンの保存場所と記憶領域のサイズを指定します。
②「次へ(N)」をクリックします。
①ダウンロードしたWindows11のisoファイルを参照します。
②「次へ(N)」をクリックします。
「完了(F)」をクリックして
作成したWindows11を右クリックして「設定」をクリックします。
①「セキュリティ」の項目をクリックします。
②「トランステッド プラットフォームモジュールを有効にする(P)」にチェックをいれます。(Windows11の起動条件のTPMの機能です)
③「OK(O)」をクリックします。
①「プロセッサ」の項目をクリックします。
②仮想プロセッサを「2」以上に変更します。(Windows 11はプロセッサが二つ以上必要です)
③「OK(O)」をクリックして設定の完了です。
Hyper-V Windows11をインストールする
Windows11のインストールを始めるために仮想環境を起動します。
仮想マシンWindows11を右クリックして「接続(O)」をクリックします。
「起動」をクリックします。
ここでキーを押すとインストール始まります。
注意事項 もし何もキーを受け付けない場合
仮想マシンのツールバーの「操作(A)」をクリックして「Ctrl+Alt+Del(C)」をクリックするとキーを押せるようになります。
「次へ(N)」をクリックします。
「今すぐインストール(I)」をクリックしします。
①Windows11のライセンスキーを入力します。
②「次へ(N)」へクリックします。
「ソフトウェアライセンス条項にチェックを入れて「次へ(N)」をクリックします。
新規のインストールなので「カスタム: Windowsのみをインストールする(詳細設定))をクリックします。
「次へ(N)」をクリックします。
Windowsのインストールが始まります。(数分ほど待ちます)
Windows11の初期設定をしていきます。
キーボード設定を行います。
追加のキーボードがあれば追加します。
デバイス名を付けます。
個人設定か職場の設定をしていきます。(ここでは個人用の設定をしていきます。)
Microsoftアカウントにサインインを行います。
PINを作成します。(PINとはキャッシュカードの暗証番号のようなものです。ログインする時に使用する暗唱番号になります。)
PINの番号を設定します。
「デバイスのプライバシー設定」を設定します。
「スキップ」を選択します。
OneDriveの設定を行います。
初期設定が始まります。(数分ほどかかります)
Windows11が起動して画面設定をして完了です。
ネットワーク 仮想スイッチの作成
仮想マシンをアプリケーションのテストなどに使うときにLANと同じセグメントに設定したい時があります。最初に仮想マシンに設定した「Defalut Switch」のネットワークアダプターではIPアドレスが172から始まるアドレスが設定されます。
IPアドレスを設定するためには、仮想スイッチを作成する必要があります。その設定方法を説明していきます。
Hyper-Vマネージャー画面の「仮想スイッチマネージャー」をクリックします。
スイッチの種類を選択します。
①今回はホストマシン以外の機器類と通信を行いたいため「外部」を選択します。
②「仮想スイッチの作成(S)」をクリックします。
①仮想スイッチの名前を入力します。
②ネットワークドライバーを選択して「適用」をクリックします。
(外部スイッチを作成するとHyper-Vのホスト側のネットワークアダプターも変更になります。)
仮想マシンの設定画面を開き
①ネットワークアダプターをクリックします。
②仮想スイッチに作成した「新しい仮想スイッチ」を選択して適用します。
Hyper-Vの環境でUSBメモリを使う(リダイレクト機能)
他の仮想環境 Vmwareなどを使っていた方はHyper-Vを使うとあれと思うことが多々あります。そのひとつがUSBデバイス、例えばUSBメモリをパソコン本体に差し込んでも仮想環境側に勝手に認識がされません。
簡単な方法でHyper-VでUSBデバイスを使いたい場合
仮想マシンに接続する時に表示される画面の設定で「オプションの表示(O)」をクリックします。
「ローカルリソース」をクリックして「詳細(M)」をクリックします。
「ドライブ」の項目にUSBメモリが表示されますのでチェックを入れて「OK」をクリックしてあとは仮想環境に接続します。
「エクスプローラー」から「PC」をクリックすると「リダイレクトされたドライブとフォルダー」にUSBメモリが表示されます。
最後に
先日、Windows 10 pro メモリ32Gのパソコンに Hyper-Vで5台のWindows 10を稼働してみました。5台同時に稼働してリモート越しに各パソコンに接続してみました。各パソコンはサクサクまではいかなかったですが、たまにもっさり動く時もありますが十分使える状態です。
数台の小さい仮想環境の構築ならWindows ServerやVmwareを使わずともWindows 10 Proの仮想環境でも状況によっては十分使えるものだと思えます。また、古いパソコンやWindows 7などサポート切れのパソコン。物理マシンをHyper- Vに移動させる技術P2Vなどもあります。次回は物理マシンを仮想環境に移動させる方法を紹介したいと思います。