「IoT」という用語が日常的に用いられるようになり、私たちの生活空間や職場を含むさまざまな環境での利用が拡大しています。
家具の分野においても、スタートアップだけでなく、既存の企業もIoT技術を取り入れ始めています。しかし、これには「個人情報の漏洩」という懸念や「家具にIoT技術を導入する必要があるのか?」という疑問も伴います。これらの技術が本当に私たちの生活を豊かにするのか、という問いもあります。
そこで、今回私は「家具」と「家電」に「IoT」技術を融合させることで、生活がどのように変化するか、そしてこれがもたらす「新しい生活スタイル」について、アイデアを探ってみることにしました。
Table of Contents
IoT( Internet of Things ) とは
よく「IoTとは」と聞かれたら「モノのインターネットのことでしょ」と、ご存じの方は多いと思います。しかし、「具体的にIoTの内容がよくわからない」という人は多いのではないでしょうか。
よくよく考えてみると「モノ」が「インターネット」に繋がって何が便利になるのか疑問に思えることも多いです。
そこで、まずは「モノのインターネット」について具体的に内容を確認していきます。
「IoT」とGoogleで検索すると「2.610,000,000」件の大量の結果が返ってきます。
その中で、一番わかりやすそうな答えを探すと「コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在する様々な物体に通信機能をもたせ、インターネットに接続して相互に通信する事により、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと」と出てきます。
つまり簡単に言うと「モノ」にインターネットへの接続機能を持たせて「モノ」が持つ情報やセンサーなどで取得した情報を他の「モノ」や「人」に情報を送ったり操作することです。
もっと簡単に例を表すと「電球」をインターネットに繋げ「スマホ」と連動すると何が便利なると思いますか?
通常スイッチを使って電球を操作しますが、スマホの「時計」機能と連動して時間帯に合わせて照明の色をかえる。「リラックス」「読書」「細かい作業」のように目的に応じて照明の明るさや色を目的によって変えることができます。
例 青い光はリラックスしませんか?
(青色は副交感神経に働きかけるためリラックス効果があるそうです。海の中や青い大空の中いるとしたらリラックスしますよね。)
スマホの「GPS」と連動すれば、家の敷地に入った時点で家の照明をつけて置くこともできます。真っ暗な家に帰ってきて照明のスイッチを探して床にあるものを蹴とばし大惨事になることもなくなります。
要はIoTとは「モノ(照明)」と「モノ(スマホ)」を「インターネット」で連帯させて新しい機能、便利さを持たせることです。
IoTセンサーについて
IoTで大事なものが各種センサー類、先程GPSを使った例を説明しましたが、他にもたくさんあります。
- 温度センサー(周囲の温度を計測するもの)
- 湿度センサー(大気中の湿度を計測するもの)
- 加速度センサー(物体の傾きや振動を計測するもの)
- ジャイロセンサー(角度を計測するもの)
- 圧力センサー(圧力を検知するもの)
- 光センサー(光を検知するもの)
- 距離センサー(物体との距離を計測します)
- 振動センサー(振動を検知するもの)
- 音センサー(音の振動を検知するもの)などがあります。
IoTとは各種センサーを組み込んだ「モノ(照明)」と「モノ(スマホ)」を連帯させて新しい機能をもたせるものなのです。では、家具と何の「モノ」を連帯すればいいのか「新しい生活」となるのか次から考えていきます。
IoTダイニング テーブルと何を連帯する?
ダイニングテーブルは、ダイニングにあるものと連帯させると便利そうですが、すでにあるものでは「コーヒーメーカー」や「照明」など天板をノックすると操作できるものがあります。
既存に無いものと連帯を取りたいので「冷蔵庫」と連帯は? ノックの数によって冷蔵庫の中身がわかる。テーブルを「コン、コン」とノックすると、冷蔵庫のブザーが「ブーブーブ」じゃがいも3つ。中の種類分の信号を覚えないと行けないので大変そうだ。炊飯器との連帯はどうだろうか?食洗機、電子レンジ、反対にリビングとあるものと連帯させたほうがいいのか、正直あまり便利になるとは思えません。
ダイニングでは、主に食事や作業を行うことが大半だと思います。テーブルに振動センサーをつけて一眼レフカメラと連帯をとったらどうだろうか、「ごくありふれた暮らし」を撮影する。テーブルに振動が起きた時って、どんなときでしょうか?「何気ない家族との食事風景」、大きな振動が起きたときは、ダイニングテーブルで起きたハプニング、食器を落とした瞬間、もしかしたら家族が喧嘩している瞬間、子供が遊んでいる瞬間、ペットが食事を狙っている瞬間、などなど、何気なく撮影された写真たち、数年後、十年後にその写真を見たときに、過去の思いでとして懐かしむ事ができるのではないでしょうか?ということで、ダイニングテーブルは一眼レフカメラと連帯を取ることに決定します。
IoTダイニング チェアーと何を連帯する?
ダイニングチェアーは、やはりテーマは「健康」、日本人は「世界で一番座って過ごす時間が一番長い民族」だと言われています。実際にある大学の調査では、世界20カ国の平均が1日5時間であるのに対して、日本人は7時間とダントツに座っていることが長いことが調査によって指摘されています。そして、座り過ぎは専門家から健康状態を悪化させると言われ座っている時間が4時間未満の人と1日11時間以上座っている人の死亡リスクは約40%増加するという結果が出ているそうです。
主に、座っている時間はデスクワークが多そうだが、仕事の疲れをダイニングチェアーでチェックすると言うのはどうだろうか?ダイニングチェアーに圧力センサーを組み込み、体が疲労していれば「姿勢」が変わるはず、そこから推測して、スマホに連絡、今日はこの部分の疲労が多いです。「このマッサージをしましょう。」とスマホに動画が流れたりすれば便利なはず。その他にもダイニングで作業しているときに長時間に及ぶことによる、座りっぱなしの防止対策でアラームと連動して、血流を良くするためのストレッチの方法の仕方などが同じようにスマホと連帯を取れれば面白いと思います。ダイニングチェアーは圧力センサーとスマホと連帯に決定です。
IoTリビング ソファーと何を連帯する?
最後に家の中の家具で主役クラス。ソファーに最も求められていることに「くつろぐこと」が上げられると思います。ここをIoTで更に進化させれば、「新しい生活スタイル」へ近づくのではないのでしょうか。「くつろぐこと」といえば、すでに、スマホから自由に形を変えるものがあり、その人にあった形や状況にあわせて、ソファーの形をアドバイスしてくれるものがあるそうです。確かに「体にフィットするソファー」でビーズソファーを体験したことがありますが、体の凹凸にピッタリとジャストフィットして心地良が良かったのを覚えています。
では、何と連帯するべきか、やはり「くつろぐこと」をテーマに連帯するべきなのか、すでにある体にフィットして形を変えれるソファーは、ある意味最強の「くつろぐこと」だと思っていますので、すこしテーマを変えていきたいと思います。ソファーにいるときに便利になるものをテーマに掲げたいと思います。ありきたりですが、テレビ・スピーカー・照明などの連帯はあると便利だと思う。
ソファーに座っていてよくあることのひとつに電化製品のリモコンがなくなることがあります。使ったのはいいけど、そのままあっちこっちへと、つい色々なところに置いてします。使いたいときに見つからない…なんてことありますよね。そこでソファーから各デバイスを操作、TVはソファーの肘部分に仕込んだ振動センサーによって右肘をノックすることによって、電源をON,OFF,左肘でチャンネル変更はスピーカーの音量変更はクッションに内の加速度センサーによってハンドルのように動かし音量を調整する。ソファーに座りながらリビングにある電化製品をリモコンなしで操作する時代が来るかも、ちまたでは電化製品なども制御できる「スマートスピーカー」が流行ってきているが、今後は「IoTソファー」と「スマートスピーカー」がリビングの家電製品の操作の覇権を争う時代が来るのかもしれない。ソファーはリビングにあるすべての家電を制御するに決定です。
いろいろ家具をIoT化へ
今回、IoTを使いダイニングテーブル、ダイニングチェアー、リビングソファーと各家電との連携を考えてみましたが、家具はその他にもたくさんあります。
リビングテーブルやデスク、リビングテーブル・スツール・ロッキングチェアー・TVボード・チェストなど、家具にIoTを組み込むことによって、家具のデザインや機能性の他に家の中の家電との連帯機能の使いやすさで家具を選ぶ時代に来るかも知れません。
家具をIoT化するメリットは?
いろいろとIoT家具を考えてきましたが、その中でIoT家具を購入するメリットってなんなのでしょうか。正直、家具の購入コストが物によって数千円から数万あがります。低コストで生産している家具には到底付けることはできないでしょう。
コストを上げても使いたいと思う仕組みも大事ですが、例えば、ホテルや民泊などの宿泊施設などにIoT家具の設置はどうでしょうか。まだまだ、一般的でないIoT家具、興味はあるけど、購入するのはためらう人は多いはず、そこで、IoTが体験できる宿泊施設を売りにすれば興味ある人が泊まりに来ていいかもしれません。
最後に
IoTは暮らしを変えることができるのか「新しい生活スタイル」を生み出すことができるのか、家具にIoTを組み込むことによって家具そのものに大きな変化をもたらす分野だと思います。
ただ、うまく他の家電たちと連携とれるのかはアイデア次第のところが多いです。まだまだ一般的ではないIoT家具、アイデアによって大きな変革を巻き起こす可能性があると思います。