前回、Microsoft Hyper-Vを使用して新規で仮想環境にWindowsをインストールしましたが、なかには古い物理マシンをまるごと仮想環境に移したい時があると思います。
Windows 7 など物理マシンで10年以上動いている古いシステムを新しいOSに乗せ換えられなくて困っている。新規で仮想環境に移そうにも膨大な時間がかかるため移行にためらっているということもあるでしょう。もしくはシステムの構築方法がマニュアル化されていないため仮想環境に同じシステムを移行できないという最悪の状態もあるかもしれません。
物理マシンをまるごと仮想環境に移動する方法があります。P2V(Physical to Virtual)という技術でMicrosoftよりソフトが無料で公開されています。今回はP2Vのソフトを使い物理マシンを仮想環境に移行する方法を紹介していきます。
前回の記事
Table of Contents
Windows ライセンスについて
今回、物理マシンを仮想環境に移行する際にWindowsのライセンスが別途、必要になります。パソコンを購入した時に付いているWindowsのライセンスは、ほぼOEMライセンスが使用されています。このOEMライセンスは購入したパソコンだけでしか使用することができないライセンスになりますので物理マシンを移行する時はWindowsのライセンスを確認ください。
P2Vのソフト Disk2VHDのダウンロード
Microsoftダウンロードサイト
https://docs.microsoft.com/ja-jp/sysinternals/downloads/disk2vhd
「Download Disk2vhd」をクリックしてダウンロードしてください。
Disk2Vhd の使い方
ファイルをダウンロードしたら解凍してDisk2vhdフォルダを開きます。
OSが32bitの場合は「disk2vhd.exe」、64bitの場合は「disk2vhd64.exe」、ARMの場合は「disk2vhd64a.exe」をクリックします。
「Agree」をクリックします。
「Creale」をクリックします。
(もしDドライブとか不要なドライブがある場合はチェックを外します。Cドライブ以外のSYSTEMファイルは必要なドライブなので必ずチェックを入れます。)
しばらく待ってファイルが作成されます。
(500Gのディスクで40分ほどかかりました。)
Hyper-Vの仮想環境へ
※Hyper-Vがインストール出来ていない方は前回の記事を確認してください。
Hyper-V マネージャーを起動して「新規」から「仮想マシン」をクリックします。
「次へ(N)」をクリックします。
①仮想マシン名を入力します。
②「次へ(N)」をクリックします。
世代を選択して「次へ」をクリックします。
第1世代はサポートOSの制限なし、ファームウェア BIOS
第2世代はWindows server 2012以降のOS、Windows 8移行のOS、ファームウェア UEFI
①起動メモリを入力します
②「次へ」をクリックします。
①ネットワークの構成を「Default Switch」を選択します。
②「次へ(N)」をクリックします。
①「既存の仮想ハードディスクを使用する(U)」に変更して Disk2vhd で作成したファイルを参照します。
②「次へ(N)」をクリックします。
「完了(F)」をクリックします。
①作成した仮想マシンを右クリックして②「接続(O)」をクリックします。
「起動」をクリックします。
これで物理マシンからの移行の完了です。
最後に
物理マシンから移行したWindowsは起動するのにかなり時間がかかります。(8分ほどかかりました)アプリの起動時間も遅いためCPUとメモリをMAXに変更してみましたが、さほど変わりませんでした。
仮想マシンを起動させた環境がHDDのため遅いのかと思いSDDの環境に移行して、もう一度動かしてみましたがちょっと早くなったような気がする程度でした。その他にもいろいろ調整してみましたがサクサク動く状況にはなりませんでした。
P2V、古いマシンを丸ごと他のシステムを移行するというのは、ものすごくメリットに感じますが、移行した後に動かすシステムや用途によっては考え物かもしれません。