教育用 ロボットプログラミングによる学習効果について

ロボットプログラミング

近年、学校の「情報」科目導入やSTEAM教育への関心の高まりから、子どもが楽しみながら学べるプログラミング教材が注目されています。教育用ロボットプログラミングとは、ロボットに動きや音、光の制御をさせるコードを自分で作り、実際にロボットを動かしながら学ぶ方法です。パソコンやタブレット上のシミュレーションだけでなく、現実世界でロボットが反応するので、仕組みや原因・結果の理解がしやすく、達成感が得られます。

低年齢向けには画面を使わない木製ブロックをスキャンするだけでプログラムを作れるタイプもあり、幼児から安全に遊べます。また、パーツを組み替えたり装飾したりする要素を持つキットもあり、ものづくりの楽しさとプログラミング学習を同時に味わえるのが特徴です。

ロボットプログラミングの学習効果

ロボットプログラミングにはさまざまな教育的効果があります。ここでは代表的な効果を紹介します。

創造力と自己表現の向上

ロボットを「動く作品」として自由に設計し、自分の思い描いた動きや音を実現する過程で、子どもは想像力を膨らませます。作ったロボットが形になり、家族や友だちに披露することで自己表現の機会にもなります。

論理的思考・アルゴリズム的思考の習得

プログラムは一連の指示(アルゴリズム)を順序立てて考える必要があります。ロボットに「前へ進み、障害物を避け、ゴールに到達する」といった動作をさせる際には、必要な手順を小さなステップに分解し、順番通りにつなぎ合わせる力が身に付きます。このような論理的思考は算数や理科の問題解決にも応用できます。

問題解決力と粘り強さの育成

ロボットは最初から思い通りに動いてくれるとは限りません。プログラムの修正や試行錯誤を繰り返すことで、子どもたちは失敗を恐れずに挑戦し続ける「グリット(やり抜く力)」を学びます。また、動きやセンサーの反応を観察して原因を分析し、改善策を考える過程で問題解決力が養われます。

協働性とコミュニケーションの向上

チームでロボットを作る教室や課題に取り組むと、役割分担や意見交換が必要になります。友だちと協力してロボットを完成させる経験は、相手を思いやる心やコミュニケーション力を育てるとともに、ものづくりの楽しさを共有するきっかけになります。

性別による固定観念を打ち破る

幼児期からロボットやプログラミングに触れることで、「機械や理科は男の子向け」といったステレオタイプが形成されにくくなると示す研究があります。中立的なデザインやクラフト要素のある教材は、男女問わず関心を引きつけ、自由な発想で取り組めます。

学習効果を高める3つのポイント

1. 年齢や目的に合ったキットを選ぶ

ロボットキットには対象年齢や機能がさまざまあります。例えば、幼児向けには画面不要で直感的に使える木製ブロック型、低学年向けにはアプリから簡単に命令を組み立てられるブロックプログラミング型、中高学年向けには実際のコードやセンサー制御にも挑戦できるタイプがおすすめです。先端技術を盛り込みすぎると混乱してしまうので、興味や学びたい内容に合わせて無理なくステップアップできるものを選びましょう。

2. 課題やストーリーを設定する

単にロボットを動かすだけでなく、「迷路を脱出する」「荷物を届ける」などストーリーや目的を設定すると、子どものモチベーションが高まります。障害物を避ける、ラインに沿って走る、音や光で合図するなど、段階を追って難易度を上げると達成感を味わえます。授業や家庭学習では、理科や算数と関連付けた課題を作ると応用力が深まります。

3. 作る→試す→改善する工程を楽しむ

ロボットプログラミングは試行錯誤の連続です。うまく動かないときには、何が原因かを考えて修正し、再び試すというサイクルを繰り返します。この「エンジニアリングデザインプロセス」を体験することで、子どもは失敗を恐れずに挑戦する姿勢を身に付けます。友だちや家族とアイデアを共有して助け合うことも大切です。

おすすめロボットプログラミングキット

DEERC ロボット

リモコンのボタン操作だけで前進・左折・右折など最大50ステップを記憶させることができ、スマホやタブレットが不要なので、プログラミング的思考を育てる入門用に適しています。あらかじめ用意された動きを組み合わせて順番に登録するため、幼児でも操作しやすい点が魅力です。ロボットには発話やダンス機能もあり、親子で遊びながらプログラムの概念に触れられます。

Makeblock mBot

センサーやLEDを備えた車型ロボットで、線に沿って走る・障害物を避ける・光の色を変えるなどのプログラムが作れます。スマートフォンやタブレットでブロックをドラッグ&ドロップするだけなので、初心者にもわかりやすいです。教材用の書籍やオンライン教材が豊富で、ステップバイステップで学習できます。

書籍もあるので基本的な操作や手順も学びやすい!

レゴ(LEGO) ブースト レゴブースト

レゴブロックを組み立てる楽しさに、モーターやセンサーを組み込んだロボット作りが加わったキットです。レゴを組み替えながら60種類以上の動きを作ることができ、専用アプリを通じてプログラミングを学びます。レゴを持っているご家庭ならパーツを活用でき、自由な発想でキャラクターや乗り物を作れるため、飽きずに長く遊べます。

まとめ

ロボットプログラミングは、プログラミング教育を楽しく身近なものにしてくれる素晴らしい方法です。子どもたちは創造力や論理的思考力、問題解決力、協働性、粘り強さといった21世紀に求められるスキルを無理なく身に付けることができます。また、幼児期からプログラミングに触れることで性別による偏見が芽生える前に興味を持つことができ、将来の選択肢が広がります。

学習効果を高めるには、年齢や目的に合ったロボットキットを選び、ストーリー性のある課題でモチベーションを維持しながら、試行錯誤を楽しめる環境を整えることが大切です。教育用ロボットは、家庭学習はもちろん、学校や学習塾、サークル活動でも活用できるので、ぜひお子さまに合ったキットを探してみてください。