Windows 10は2015年に登場してから長く愛用されていますが、使い続けるうちに動作が遅くなることがあります。いきなり買い替えを検討する前に、設定の見直しや環境の整理でスピードを取り戻せることが多いです。本記事では、誰でもできる「高速化の基本」を順番に紹介します。
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パソコンが遅くなる主な原因
スタートアップアプリの増加 – PC起動時に不要なアプリが自動起動すると重くなります。
バックグラウンドアプリや視覚効果 – 常時裏で動くアプリや豪華なアニメーションは負荷を高めます。
ディスクやメモリの不足 – HDDはSSDよりも読み書き速度が遅く、低いRAM容量も頻繁なディスクアクセスを招きます。
デスクトップの整理不足 – デスクトップに大量のファイルを置くと起動が遅くなることが実験で確認されています。
① これが一番効果的「クイックアクセス」を停止する
クイックアクセスとは「エクスプローラー」を開いたときに左上に表示される、よく使うフォルダやファイルの一覧です。
Windows10では最近使用したものを自動的に集めてくれます。

よく使うファイルやフォルダはショートカットを作ってアクセスしている方が多いのではないでしょうか。
中には「クイックアクセス」を全く使っていない方も多いはずです。
クイックアクセスの機能をOFFにする方法は、エクスプローラーを開き「表示」タブをクリックして「オプション」をクリックします。

「ブライバシー」の項目にある
「最近使ったファイルをクイックアクセスに表示する」と「よく使うフォルダをクイックアクセスに表示する」のチェックを外し「適用」をクリックして設定の完了です。

この設定を変更することによりフォルダやファイルを開いたりするときに動作がサクサク動くようになります。
② 不要なスタートアップを止める
「スタートアップ」に登録されているソフトはパソコンが起動されると自動的にソフトが起動される仕組みになっています。
パソコンを長く使っていると一時的に使用していたソフトや一度も使用したこともないソフトなど、不必要なソフトが起動している時ことがあります。
使わないソフトは起動しないように設定をしていきます。
最初にタスクマネージャーを起動します。キーボードの「Ctrl」+「Shift」+「ESC」キーを同時に押すと起動して「スタートアップ」のタブをクリックします。

無効にしたいアプリを選択して「無効化」をクリックしていきます。(特に使っていないクラウドサービスなどはOFFにしましょう)

③バックグラウンドアプリをOFFにする
バックグラウンドアプリとはデスクトップ上の操作をしていても存在を意識することもなくシステムの後ろ側で動くアプリです。
主に情報の更新や通知、送受信など行っています。 バックグラウンドの動作が多いとパソコンは遅くなります。
不要なアプリは動作しないように設定をしていきます。
「Windows」ボタンから「設定」をクリックします。

「プライバシー」をクリックします。

下へ移動すると「 バックグラウンド 」をクリックします。

ここで使用していないアプリをOFFにしていきます。

④アニメーション効果と透明設定をOFFにする
最後にアニメーションと透過機能をOFFにします。アニメーションはウィンドウを最小化したり最大化する時に使われている機能でOFFにするとウィンドウ がふわっと表示されていたのが瞬時にパット表示されるようになります。
透過設定は「タスクバー」や「設定」画面など透過していたのがなくなります。

「Windows」ボタンから「設定」をクリックします。

「簡単操作」をクリックします。

「ディスプレイ」の項目を下の方に移動すると
「Windowsにアニメーション表示する」と「Windowsの表示に透明性を適用する」の二つをOFFにします。

デスクトップの整理整頓を行う!
デスクトップ上にたくさんのファイルを置いている人がよく見かけます。
中には重たいビデオファイルを置いている方やたくさん写真が入ったフォルダを置いている方もいます。
デスクトップ上にファイル・フォルダを置くとパソコンの起動が遅くなります。
■Windowsの起動時間を計測する「BootRacer」で実験してみました。
デスクトップに※500M分のファイル・フォルダを置いてみました。
( ※iPhoneの写真1枚が1M~2Mです。)
パソコンの起動時間 40秒

実験② 1000M分のファイル・フォルダを置いてみました。
パソコンの起動時間 52秒

実験③ デスクトップをファイル・フォルダをおかずにショートカットのみで構成した。
パソコンの起動時間 20秒

結果として
デスクトップにファイルフォルダ 500M 起動時間 40秒
デスクトップにファイルフォルダ 1000M 起動時間 52秒
デスクトップにはファイルのショートカットのみ 起動時間 20秒
今回の実験結果からデスクトップにファイルの容量が増えていくことによって起動時間が遅くなることがわかります。
今回は起動時間のテストですがファイルをたくさんデスクトップにおいて置くと何よりもファイルを探す手間が増えます。
少しでも快適なパソコン環境にするならデスクトップにファイル・フォルダは直接置かないでショートカットを置くようにしましょう。
メモリ増設やSSDへの換装
古いノートPCやデスクトップでは、HDDの読み書き速度やメモリ容量がボトルネックになりがちです。Lenovoのサポート記事でも、機械式HDDはSSDより遅いためSSDへのアップグレードやRAM増設が効果的だと説明しています。
- SSDに換装すると起動やファイル操作が劇的に速くなり ます。
- RAMを増やすとディスクへのアクセス頻度が減り 全体的なパフォーマンスが向上します。
ハードウェア投資が必要ですが、長く使いたい場合には検討の価値があります。
まとめ
Windows 10が遅いと感じたら、いきなり買い替えを検討する前に、まずは設定や環境を見直してみましょう。クイックアクセスやスタートアップの整理、視覚効果の調整、ディスクの掃除やハードウェアのアップグレードなど、少しの工夫でパソコンは驚くほど快適になります。ぜひ今回紹介した手順を試して、快適なPCライフを手に入れてください。