エクセル ガントチャートの作成方法 プロジェクトや生産管理で使う!

ガントチャートの画像

仕事のスケジュールを管理する時にどんなツールを使っていますか。無料のフリーソフトや有料のクラウドで管理するものなどいろいろあります。

よく見かけるのが自作で作ったExcelのガントチャートで予定をセルごとに色を塗りつぶしたものや図形を引いたものなどをよく見かけます。

セルの色付けや図形を使ったものは、スケジュールが変更になった場合にセルの色を付けたり消したりと大変です。図形できたものなどはピッタリ移動するために手間がものすごくかかります。

今回、スケジュール管理の効率化を目指し使い慣れたExcelで色を塗ったり図形を貼り付けたりすることなくExcelの機能である「条件付書式」を使用して日付や時間を入力すれば、自動でスケジュールが色付けする方法を紹介していきます。

Excelのテンプレートを貼り付けてますのでやり方がよくわからない場合は参考にしてください。

ガントチャートとは

ガントチャートとは、プロジェクトや生産管理において各スケジュールを見える化するために各作業の計画をグラフ化したものです。横棒グラフの一種で作業がかかる日数分が横棒で表現されて進捗状態を表しています。

開始と終了の日にちが、一目でわかるため作業にかかる期間が把握しやすいというメリットがあるため誰でも効率よくスケジュールを管理できるツールです。

Excelガントチャート画像

※ガントチャートは第一大戦時に経営コンサルタントのヘンリー・ガントによって考案されました。

Excel ガントチャート 条件付き書式について

今回、Excelでガントチャートを作成するにあたり肝となるExcelの機能が「条件付き書式」になります。簡単に使い方を紹介していきます。

条件付き書式とは、指定した範囲に対して作成した条件が範囲に入った時に指定の範囲の書式を変更するものです。

例えば、セルの数値がマイナスの場合は文字色を赤にしたり、目立つようにセルの背景をかえたり行全体を赤色に変更することもできます。

条件付き書式の使い方は「ホーム」の「条件付き書式」のボタンから利用ができます。

Excelのツール画像

簡単な条件付き書式を設定してみる!

D列に入力されている「在庫数量」に次の3つの条件付き書式を設定していきます。

①在庫数量が100以上ある場合はブルー

②在庫数量が20以下の場合はオレンジ

③在庫数量が10以下の場合はレッド

条件付き書式①

①D4~D8」を選択します。

②条件付き書式」から「③新しいルール(N)」をクリックします。

条件付き書式 新しいルール

①「指定の値を含むセルだけを書式設定」をクリックします。

②在庫数量が100以上の条件を入力するために「セルの値」の次の項目を「次の値以上」に変更します。

③公式に数値「100」と入力します。

④「書式(F)」をクリックして書式をブルーに設定します。

書式のルール

同じように次の条件も設定します。

②在庫数量が20以下の場合はオレンジ

③在庫数量が10以下の場合はレッド

以下のようになればOKです。

各項目の在庫数量

ちょっと複雑な条件付き書式を設定してみる!

次に数式を使った「条件付き書式」の設定方法を確認します。条件は下記になります。

D列の状況が「完了」の場合は、行全体をブルーに塗りつぶしの設定する

条件付き書式設定

①「B4~D8」を選択します。

②「条件付き書式」をクリックして「③新しいルール(N)」をクリックします。

条件付き書式

①「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択します。

②数式に「=$D4=”完了”」と入力します。

「$D4」列のみを固定するのは、複合参照にして行が変わった時に番号が変わるようにします。

③「書式(E)」をクリックして背景をブルーにします。

④「OK」をクリックします。

書式のルール

「状況」が完了の場合に行全体がブルー色になりました。

状況

ガントチャート作成① プロジェクト編

次はプロジェクトで利用するようなガントチャートを作成方法を確認します。

B列に「№」、C列に「タスク名」、D列に「担当者」、E列に「開始日」、F列に「終了日」であとは日付が並ぶ表になっています。

E列の「開始日」とF列の「終了日」を入力すると日付に合わせて色が自動で付く「条件付き書式」を設定します。

開始と終了

①条件付き書式を設定する範囲を指定するために「G5~AK18」を選択します。

②「条件付き書式」をクリックします。

③「新しいルール(N)」をクリックします。

条件付き書式の入力

「数式を使用して、書式設定するセルを決定」をクリックします。

条件付き書式 数式

条件付き書式を入力する数式は「G5」に入る数式を例に考えると

Excel ガントチャート図 数式

「開始日」が「G4」以上の場合にグリーン色を付ける

「終了日」が「G4」以下の場合にグリーン色を付けるという二つの条件を入力する必要があります。二つの条件を入力する時は「AND関数」を使います。

AND関数の例 =AND(A2>=1,A2<=100) の場合

Aが1以上、かつ(AND)100以下の場合に色を付けるという条件付き書式になります。

①例をもとに入力すると「=AND(G$4>=$E5,G$4<=$F5)」となります。コピーした場合の事を考えて複合参照の設定する場所を気をつけてください。

②「書式(F)..」をクリックしてグリーンに書式を設定します。

③「OK」をクリックします。

Excel ガントチャート図 条件付き書式

条件付き書式が設定できたと思います。「開始日」や「終了日」を変更して色が変化するか確認してください。

Excel ガントチャート図 

ガントチャート作成② 生産管理編

ガントチャートと言えば、生産管理の工程管理によく使われています。今回は機械の工程管理に使用するようなガントチャートを作成します。

工場で使う機械と言えばCNC機器など1台、数千万円以上します。ムダの無いようにスケジュールを組むために時間単位もしくは分単位で管理していることもあるでしょう。そこで今回は10分単位で管理するガントチャートを作成に挑戦します。

CNC

先ほど作成したプロジェクトタイプは、人単位でタスクを管理していため、それぞれのタスクは紐づいていなかったですが今回は、工作機器の工程管理のため一つの製品を加工している時は他の製品を加工できませんので、入力してある製品の加工時間をすべて連動させて「品名」をひとつずらすと自動ですべて時間を調整するガントチャートを作成します。

Excel ガントチャート図

表は1日に加工するスケジュールで機械が作業する品名が作業順に並んでいます。

列の説明をするとはA列に「№」B列に加工する「品名」、D列に加工する「数量」、E列に工作機器に加工するために必要な治具などを設置する「セット時間」、F列に機械が加工する「加工時間」、G列にセット時間と加工時間の合計の時間となります。

Excel ガントチャート図

今回、作成するガントチャートは「分単位」と「タスクが連動」しているガントチャートを作成するためにはある程度、Excel上に仕込みが必要になります。

一つ目が「合計」時間、これは№1~からの作業時間をすべて足していく公式が入力されています。

「H6」に入力されている公式は「=H6+G7」になります。

Excel ガントチャート図 合計

二つ目が5行目に分単位の時間を入力しています。

8:00から始まり「0:10」、「0:20」、「0:30」…と入力されて次の時間9:00時になった時はそのまま「1:10」、「1:20」、「1:30」…と入力します。

Excel ガントチャート図 時間の設定

条件付き書式の設定方法は

①条件付き書式を設定する範囲「I6~P26」まで選択します。

②「条件付き書式」をクリックします。

③「新しいルール(N)」をクリックします。

Excel ガントチャート図

①「数式を使用して、書式設定するセルを決定」をクリックします。

②「=AND(I$5<=$H6,I$5>$H5)」を入力します。

③「書式」をクリックして塗りつぶしを青に設定します。

④「OK」をクリックします。

条件付き書式 書式ルールの編集

数式について

「=AND(I$5<=$H6,I$5>$H5)」

「I列」に入力されている「0:10」… よりH列に入力されている作業時間以上の場合に塗りつぶすに

AND条件を付けて

「I列」に に入力されている「0:10」… よりH列が小さくなった場合に塗りつぶしをやめるという数式を入力します。

Excel ガントチャート図

これにより作業時間、例えば「バーツB」の加工が失敗して加工時間が「0:02」に変更した場合、その下の品名のガントチャートも連動して動きます。

最後に

条件付き書式を使えば簡単にガントチャートを作成することできました。プロジェクトタイプのガントチャートは緑の一色で表示してましたが「担当」の人によって色付けを変える条件付き書式に加えれば、もっと見やすいガントチャートになると思います。

工作機器のガントチャートは少し難しかったかもしれませんが、もっと凝ったガントチャートを作成することもできます。セット時間を「内段取り」と「外段取り」の時間に分けて色付けを変更したり、「異常時間」の列を追加したりするともっと使いやすくなると思います。

ガントチャートはフリーのソフトや有料のソフトなどいろいろありますが、今回、紹介した作り方をもとに自分が使いやすい形へカスタマイズしたガントチャートにぜひ挑戦してください。