アカウント作成や管理が簡単でシンプルな機能 SynlogyChatの紹介

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近年、SlackやMicrosoft Teamsなどのチャットアプリは、メールに代わる社内コミュニケーションツールとして定着しました。一方で、「クラウド上に情報を置きたくない」「月額料金を抑えたい」「社員全員にメールアドレスが無い」などの理由からオンプレミス型のチャットを求める企業も増えています。そんなニーズに応えるのがSynology NAS に付属するチャットアプリ Synology Chat です。

本記事では、Synology Chatの特徴やメリット・デメリット、インストール方法や便利機能を詳しく解説し、Slackなどとの違いも紹介します。2025年7月時点の情報をもとに最新の使い方をまとめました。

Synology Chatとは

Synology Chatは、Synology製NAS上で動作するプライベートチャットアプリです。1対1の会話だけでなく、グループチャネルやゲストユーザーとのチャット、jitsi Meetを使ったビデオ会議にも対応しています。

NASさえ持っていればライセンスフリーで利用でき、Windows・macOS・Linux・iOS・Androidなどマルチプラットフォームに対応しているため、社内外のメンバーがどこからでもコミュニケーションできます。

Synology Chatの公式ドキュメントによると、メッセージの編集や削除、ハッシュタグやメンション、絵文字・スタンプによるリアクション、ファイルのアップロード、スケジュール送信、投票、スレッド(スレッドコメント)、ブックマーク、メッセージのピン留め、Markdown形式の書式設定など多彩な機能が標準で用意されています。

メリット Synology Chatが選ぶ理由

料金と所有権
・ライセンス費用が不要:SlackやTeamsは1ユーザーあたり月額料金が必要ですが、Synology ChatはNASを導入すれば追加費用なしで利用できます。

・オンプレミスで運用:NASにチャットデータが保存されるため、クラウドに情報を預ける必要がなく、自社でデータを完全に管理できます。

ユーザー管理の柔軟性
メールアドレスなしでアカウント作成:Synology ChatではユーザーをIDとパスワードで管理でき、メールアドレスを持たない社員でもすぐにアカウントを作成できます。会社内でメールアドレスの発行コストを抑えたい場合に便利です。

ゲストユーザーの招待:DSMユーザー以外のゲストを特定のチャネルに招待できるため、外部協力会社やフリーランサーとのやり取りも安全に行えます。

機能の豊富さ
メッセージ編集・削除:送信後のメッセージを修正・削除でき、誤字脱字の心配が減ります。

ファイルアップロードとリンク:ローカルPCやNASにあるファイルをチャットに添付できるほか、Synology Driveにあるファイルリンクを挿入することも可能。

スケジュール送信・投票・スレッド:メッセージを指定した日時に送信したり、投票やスレッドで議論を整理したりできる。

カレンダー連携とビデオ会議:Synology Calendarと連携し、チャット上で日程調整をしたり、/jitsi コマンドでビデオ会議を開始したりできます。

セキュリティ
暗号化チャネル:管理者でも内容を閲覧できない暗号化チャネルを作成できます。

オンプレミス保管:データが自社NASに保存されるため、クラウド型よりも外部漏えいリスクを抑えられます。

拡張性と統合
WebhookやBot連携:外部サービスからの通知やBotによる自動投稿などもカスタム統合で実現できます。

Synology Drive/Office/Calendarとの統合:Synologyの他アプリと連携し、ファイル共有やスケジュール調整がシームレスに行えます。

Synology Chatのデメリット

利用者が少ない:SlackやTeamsほどユーザー数が多くなく、情報が少ないためトラブルシューティングに時間がかかる場合があります。

権限管理が粗い:チャネルメンバー全員がチャネルを閉鎖・アーカイブできるなど、細かな権限設定ができない点は注意が必要です。

メモリ使用量とパフォーマンス:公式アプリは他のチャットサービスよりメモリ消費が大きく、動作が重いことがあります(開発元も改善を進めています)。

インターフェースが単調:Slackのような豊富な絵文字や外部アプリ連携に比べると見劣りします。

Synology Chatはどんな企業・組織に向いている?

小規模〜中規模の企業:月額課金型チャットを導入するほどではないが、SlackやTeams並みの機能が欲しい企業に適しています。

メールアドレスを配布していない職場:現場作業員など、メールアドレスを持たない社員が多い環境でもアカウントを簡単に作成できます。

情報を自社内に置きたい組織:医療・法務・教育機関など、外部クラウドに機密情報を保存したくない場合に最適です。

Synology NASをすでに利用中の企業:ファイルサーバーとしてNASを導入しているなら、追加投資なしでチャットツールを導入できます。

まとめ コストを抑えて安全なチャット環境を手に入れよう

Synology Chatは、オンプレミスで運用できる数少ないチャットツールです。NASの導入が必要というハードルはありますが、月額費用をかけずに高機能なチャット環境を構築でき、データの安全性や柔軟なユーザー管理など大きなメリットがあります。一方で、ユーザー数の少なさや権限管理の粗さなど弱点もあります。導入にあたっては自社の要件と照らし合わせ、メリットがデメリットを上回るか検討しましょう。

シノロジーチャット画面

クラウド画像
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