Windows でデータ用のドライブを追加したり、パーティションを区切って整理しようとすると、ディスク管理ツールに「十分なディスク領域がないので、この操作を完了できません」というエラーメッセージが表示されることがあります。

筆者も C ドライブの一部を縮小して新しいドライブを作ろうとした際に同じエラーに遭遇し、色々試した結果ようやく解決できました。本記事ではエラーの原因と対処方法をまとめ、誰でもわかるよう手順を紹介します。回復領域(D ドライブ)の扱い方など注意点もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
Table of Contents
「十分なディスク領域がない」エラーの主な原因
Windows のディスク管理ツールは便利ですが制限もあり、条件を満たしていないとエラーになります。このエラーが出る理由として次のような点が考えられます。
- 未割り当て領域が対象のボリュームに隣接していない場合
- 対象のボリュームが NTFS でフォーマットされていない場合
- 選択したボリュームがダイナミックディスク上にある場合(ダイナミックディスクの未割り当て領域は普通の空き領域として認識されません)
- Windows が空き領域を正しく認識できていない場合
また、拡張パーティションの制限や基本ディスクとダイナミックディスクの違いなど、ディスクの構成に関する仕様が影響することもあります。まずは現在のディスク構成を確認し、どの要因が当てはまるのかを把握しましょう。
解決策① ディスクを再スキャンする
未割り当て領域を作成したあとに新しいボリュームが作成できないときは、一度ディスクを再スキャンすると解決することがあります。Windows がハードディスクを正しくスキャンしていない場合にエラーが発生するため、次の手順で再スキャンするとよいと紹介されています。
- Windows + R キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開き、
diskmgmt.msc
と入力して Enter を押します。 - 「ディスクの管理」が開いたら上部メニューの 操作 → ディスクの再スキャン をクリックします。
再スキャン後にもう一度未割り当て領域から新しいボリュームを作成してみてください。システムドライブを拡張する場合は再起動が必要になることもあります。
解決策② ボユームをNTFSに変換する
ディスク管理では、NTFS 以外のファイルシステム(FAT32 など)を拡張することができません。この場合、対象のボリュームを NTFS 形式に変換すれば解決できます。変換には Windows 標準の diskpart
コマンドを利用します。フォーマットするとデータが消えるため、必要なファイルは必ずバックアップしてください。
- 管理者権限でコマンドプロンプトを起動し、
diskpart
と入力して起動します。 list volume
でボリューム一覧を表示し、変換したいボリューム番号を確認します。select volume n
(n は対象のボリューム番号)と入力してボリュームを選択します。format fs=ntfs quick
と入力し、NTFS でフォーマットします。
フォーマットが完了したら、ディスク管理に戻ってボリュームのサイズ変更や新しいボリュームの作成を試してみましょう。
解決策③ サードパティのパーティション管理ソフトを使う
Windows 標準ツールで解決できない場合は、サードパーティ製のパーティション管理ソフトを利用するのも手です。専門ソフトは未割り当て領域を移動したり結合したりする機能があり、制約が少ないことがメリットです。以下は代表的な無料ソフトです。
- AOMEI Partition Assistant Standard – 直感的なウィザードでパーティションの作成や結合ができる。NTFS への変換やダイナミックディスクの変換にも対応。
- EaseUS Partition Master Free – ディスク容量不足のアラート表示機能があり、隣接しない未割り当て領域を既存パーティションに結合する機能を備える。
- MiniTool Partition Wizard Free – 拡張パーティションや空き領域の扱いに強く、空き領域を削除して未割り当て領域へ変換し、新しいパーティションとして作成できる。
これらのツールを使用する場合でも、操作を誤るとデータを失う危険があります。必ず現在のパーティション状況を確認し、重要なデータはバックアップした上で進めてください。
解決策 4 – 回復パーティション(D ドライブ)の扱いに注意
多くのパソコンでは、回復パーティションと呼ばれる領域が存在します。このパーティションはシステムに問題が起きた際に工場出荷時の状態へ復元するために利用されます。パソコンメーカーが用意した OEM 回復パーティションの場合は数十 GB 占有していることもあり、新しいドライブを作る際に邪魔に感じるかもしれません。
回復パーティションを削除しても OS の起動や実行には影響しませんが、一般ユーザーの場合は保持しておくことが推奨されています。これはシステムが壊れたときに回復パーティションから復元できるためです。一方、パソコンの回復ドライブや最新のシステムイメージを作成済みの上級者であれば削除しても問題ありません。回復パーティションを削除する場合は、回復ドライブやインストールメディアを用意してから行いましょう。
回復パーティションを残したまま新しいドライブを作りたい場合は、前述の方法(再スキャンやNTFS化、サードパーティ製ソフトの利用)で問題を解決できないかを試してみてください。どうしても回復パーティションを削除する場合は diskpart
などで慎重に削除します。誤って別のパーティションを消すと起動しなくなる恐れがあるため十分注意してください。
最後に
Windows で新しいドライブを作ろうとすると、「十分なディスク領域がないので、この操作を完了できません」というエラーに悩まされることがあります。このエラーは、未割り当て領域が隣接していない、ボリュームのファイルシステムが NTFS でない、ダイナミックディスクの制限などが原因となります。まずはディスク管理の再スキャンやボリュームの NTFS 変換を試し、必要であれば専門のパーティション管理ソフトを活用しましょう。回復パーティションの削除は慎重に行い、バックアップや回復ドライブを準備してから実行するのが安全です。正しい手順を踏めば、新しいドライブを無事作成してデータを効率よく整理できるはずです。