広い会議室や大広間、体育館などでの大人数へのスピーチや社外での団体行動の誘導、工場内の見学対応など声が伝わりにくい場所で話をすることが急に決まった場合にどのような準備を進めますか。
広い場所や屋外でのスピーチで重要なことのひとつに相手に声が届くのか、大きな声を張り上げて話をすれば聞こえるかもしれませんが、声帯が弱く大声を出せない場合もあります。
大きな声を出せたとしても数十分、何時間もとなると非常に疲れます。声が通りづらい場所でスピーチする場合は拡声器が必需品ともいえます。
普段から拡声器を準備していれば、いいのでしょうが個人で拡声器を持っている人はなかなかいないと思いますし、会社でも常備しているところは少ないと思います。
拡声器は数千円から数万のものいろいろな金額の物があります。拡声器から出力できる音量の大きさワット(W)数が大きくなればなるほど高くなっていきます。もし、数千円程度の拡声器を購入しようと考えているなら「iPhone」と「スピーカー」があれば拡声器として利用することが可能です。
今回、「iPhone」と「Bluetoothもしくは有線のスピーカー」ふたつのアイテムと「Microphone Liveアプリを使って拡声器にする方法を紹介していきます。(今回、紹介するアプリのAndroid版はありませんでしたが、似たようなアプリはたくさんありますので、探すと同じことができるアプリがあるかもしれません)
目次
Microphone LiveをiPhoneにインストール
iPhoneをマイクとして利用する際にアプリが必要になります。アプリ名は「Microphone Live」無料で購入することができます。
iPhoneからページを閲覧している場合はリンクをクリックしてアプリを購入(無料)してインストールしてください。
パソコンから閲覧している方はiPhoneのカメラアプリからQRコードを読み込みアプリを購入(無料)してインストールします。

Android版はこちらの記事
Bluetoothスピーカーを接続する
手持ちのBluetoothスピーカーをiPhoneと接続してください。( Bluetoothスピーカーは3台ほどPLANTRONICS、ANKER、Tronsmartを接続してみましたがどれも問題なくスピーカーとして利用することが出来ました。)
スピーカーのメーカーによってiPhoneとのペアリング方法は違いますので説明書などで確認してスピーカー側をペアリングモードに設定します。
iPhone側の設定は「設定」をタップします。

「Bluetooth」の項目をタップします。

「Bluetooth」の項目がONにします。
デバイスの項目Bluetoothスピーカーが表示されますのでタップします。「接続済み」になれば完了です。

有線スピーカーを接続する
スピーカーを拡声器として利用したい場合、Bluetoothだけでなく有線による接続も可能です。
新しいiPhoneだとイヤホンジャックがないものがほとんどなので3.5mmヘッドフォンジャックをApple Lightnignに変換するアダプターが必要になります。

スピーカーとiPhoneを接続すれば完了です。

ただ、有線の場合は電源の確保が必要なことや3.5mmオーディオケーブルなど長めの物を用意しないとスピーカーの位置が限られた場所にしか置けなくなるので注意が必要です。
もうひとつ注意事項で3.5mmのオーディオケーブルは4極のケーブルが必要です。
一般的によく使われているのが②3極(3つの接点がある)のケーブルでイヤホンに使用しマイクが使えません。マイクを使う場合は①の4極(4つの接点がある)ケーブルが必要になります。

Microphone Live の使い方
次に Microphone Live の使い方を説明していきます。
スピーカーはBluetoothの場合も有線の場合も使い方は同じになります。インストールが終了したアプリを開きます。一番最初にアプリを開いたときに「Welcome 画面」が表示されますので「Continue」をタップします。

「Microphoneがマイクへのアクセスを求めています」と表示されますので「OK」をタップします。

あとはiPhoneとスピーカーを接続している状態なら拡声器として使用が可能になっています。
中央のボタンがON・OFFのボタンになります。
ONにして話をするとスピーカーから声が出てきます。

設定ボタンでiPhoneのマイク方向性を選んだりミキサーの設定を調整できます。
声が小さいと感じた場合は「Main Mix」を調整すると音声が大きくなります。

最後にBluetoothの場合は使用する前にiPhoneのマイクの位置を確認しておき、なるべくマイクの近くで話をするようにすると声がきれいに届きます。
Bluetoothスピーカーを使う場合の注意点
スピーカーについて「有線」と「bluetooth」両方とも接続して拡声器として利用が可能ですが「bluetooth」は声の遅れが若干発生します。
特にiPhoneとスピーカーとの距離が遠くなるほど遅れの幅は大きくなります。bluetoothスピーカーの声の遅れは、社外や工場見学などの時に使う分にはあまり気にならないかもしれませんが、室内で使う場合や小規模の場所で行う場合、声の遅れがかなり気になる可能性があります。
スピーカーの機種によっても声の遅れる感じは変わってきますので使う前に十分にテストを行ってください。
スピーカーの音量(ワット数)について
スピーカーの音量の目安としてスペックの中にワット数という項目があります。ワット数とはスピーカーが音量の大きさを表し高いほど大きな音量を出すことができます。
ワット数の目安として
一人で音楽を聞く場合 5W
6~8畳ほどの部屋 10W
リビングなど(10畳以上)大きな部屋 20W
野外 20W 以上
と言われています。
iPhone拡声器として使う場合、室内においては目安通りでも問題がないように感じますが、野外においては余裕をもったワット数の物を使った方が良いです。
特にiPhone拡声器のスピーカーとして改めて購入を考えている方はワット数が高いものを検討した方がいいと思います。
所感として40WのBluetooth スピーカーを使った場合、室内では体育館とかよほど大きな部屋でない限り十分なワット数でしたが、野外で使った感じ正直あまり声が遠くまで届きませんでした。目の前の人たち数人~数十人に対して音量が届く感じでした。
「無料版と有料版の違い」
Microphone Live は有料版があります。名前がブルーノ・マイクロフォンで2021年10月現在、610円になります。
カメラ用QRコード

有料版は画面の文字が日本語になっています。

新たに「残響のLEVEL」が設定できるようになっています。

真ん中にある「音楽」というボタンをタップしてみましたがiPhone SE 2では何も動作しませんでした。機能としてはカラオケみたに音楽と声をスピーカーに流す使い方をするようです。
その他にミキサーの設定画面になります。

有料版を使ってみた感じ、今回の趣旨である「拡声器」として使う分には無料版と有料版の違いはさほどないと思われます。無料版は広告が表示されますので消したい方は有料版を購入した方がいいでしょう。
iPhoneのマイクについて
iPhoneには音声を拾うマイクは3つ搭載されています。機種によって若干変わりますが大まかに位置は下記の通りです。
・前面上部 インカメラ付近
・背面上部 アウトカメラ付近
・底面 充電する場所の両サイド
iPhoneを拡声器にする場合、前面上部のインカメラ付近に向かって話すかたちがベストだと思いますが、なかなかiPhone持ちながらしゃべるのも見た目的にあまりかっこよくないと思います。移動や動作を伴う場合は落として破損する可能性もあります。
おすすめの方法として外部マイクを使うことです。
iPhone純正のイヤホンマイクを持っている方はリモコン部分がマイクとなっていますので差して使うことができます。

3.5mmヘッドフォンジャックをApple Lightnignに変換するアダプターを使えば通常のマイクを使用することもできます。ピンマイクを使えば見た目もスタイリッシュです。

ワイヤレスマイクも同じように3.5mmヘッドフォンジャックをApple Lightnignに変換するアダプターで使用ができます。

iPhone拡声器を複数人で使う手段
iPhone拡声器を複数人で使いたい場合はスプリッターを使うとマイクを増やすことができます。
ひとりがiPhoneのマイクを使い、ふたり目はワイヤレスマイクを使う場合は画像のような構成になります。
スプリッターはマイク5個までつなげることができます。ワイヤレスマイクは同じものだと混線しますので、別の種類やメーカーの物を選べば5人まで使うことが可能です。(有線のマイクでも可能です)

まとめ
今回、iPhoneをマイクにスピーカーに出力する方法を紹介しました。 Bluetooth スピーカーを使う場合は音の遅れのチェックを事前に行い許容範囲なのか確認したほうがいいですが「iPhone」+「スピーカー」は十分に拡声器の機能があると思います。
急に拡声器が必要になったらアプリも無料なのでiPhone拡声器の利用をひとつの候補として検討してみていかがでしょうか。
今回の検証に使った40W Bluetooth スピーカー Tronsmart
外で使うなら60W Bluetoothスピーカで防水がおすすめ
今回、使用したピンマイクとワイヤレスマイク
3.5mmヘッドフォンジャックをApple Lightnignに変換するアダプター
スプリッター イヤホンやマイクなどの分配器
送信機×2と受信機×1の商品 二人で同時に使用する時に最適なマイクです。
改善効果・利用頻度
