業務の属人化を防ぐ!報連相の質を高めること

報連相

みなさんは、業務の属人化って聞いたことがありますか?これは、「業務が役職や担当のものではなく、特定の人しか把握していない状態」のことをいいます。

本来は情報共有しあったり、忙しい時は協力しあったり、後輩に作業を教えていきたい場合でも、この属人化が大きなネックになります。

今回はそんな「属人化を防ぐ方法」について、お話ししたいと思います。

なぜ属人化するのか?

属人化するのか

属人化は「あらかじめ役割を決めておけば、大丈夫なんじゃないの?」とも思うかもしれませんが、特定の社員がどんどん業務を進めていくことにより、その進捗や知識を共有しないことで、業務が次第に独占されていき他の人が分からない範囲が増えていくことが原因です。

このように、ものすごくシンプルな理由としては、「コミュニケーション不足」です。

仕事はプライベートのように雑談をしたり、何気ない会話をすることよりも、仕事にとって必要な話を優先するため雑談のようにコミュニケーションを取る機会が少なくなります。

もちろん、無駄な話をしないという意味で大事なことでもあるのですが、仕事とは関係ない話から良いアイデアを生むきっかけになったり、仕事の効率化につながったり、お互いの人間関係が良くなることもあります。その点で雑談は情報共有という視点でメリットがあります。

世の中では、よく「報連相」を意識しようと教わることが多いと思います。入社したばかりという方でも、言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。確かに、こまめに報告すること、連絡すること、何かあったら相談することは大事ですが、それだけだとまだ足りません。

コミュニケーション不足を解消するには

コミュニケーションを取る

おそらく多くの人たちは、ある程度の「報連相」はやっていると思います。それなのになぜ、コミュニケーション不足によって属人化や情報共有が足りなくなってしまうかというと、「報連相」の深掘りができていないからです。

なんとなく必要な時に連絡すれば… ぐらいの感覚で、なぜ、こまめな相談が必要なのか考えたり、上の立場の人だったら「どうしたら相談しやすいと思える人になれるか?」まで考えている人は少ないです。

また、それを問題だと気づいていなかったり、本やネットで調べるということをしてない人の方が多いでしょう。これが、共有が上手くできないことの原因のひとつでもあります。

それでは「連絡しやすい人、相談しやすい人」とは、どんな人でしょうか?

「報告したくなる人」とは、例えば、仕事のためにスキルアップして出来ることが増えた時、「こういうことができるようなりました」と伝えたら、喜んでくれたり、そのスキルをどう仕事に活かしていけるか、一緒に考えてくれる人。

リアクションひとつでだいぶ変わります。わざとらしいリアクションをとる必要はありませんが、やはり、報告した時にあまりにもリアクションが薄すぎる人は、何だか理解してもらえていないとか、ポジティブなことを共有しづらいという印象に繋がります。

リアクションの大きい人

最初は多少大げさでもいいので、「相手がその報告によって、どんな感情を共有したいか?」をイメージして、リアクションを取る練習をしてみるといいでしょう。それを繰り返しているうちに、感情移入のコツがわかり、リアクションもより自然なものになっていきます。

連絡や相談のしやすい人とは

相談のしやすい人

それでは「連絡や相談のしやすい人」とは、どんな人でしょうか。もちろん、元々コミュニケーションが苦手だったり、対人関係の不安などで、そもそも連絡や相談をほとんどしないという人も多くいます。

他人をコントロールすること変えていくことは非常に難しいので、月並みではありますが「他人を変えるためには、まず自分が変わる」こと。連絡しやすいと思える人にまずは自分を磨いていく必要があります。

ここで大事になってくるのが、「感情の安定性」です。ちょっとしたことで怒ったり、落ち込んだり、人や物に当たったりなど、日によって態度が変わる人は「いざという時に頼れない」という印象を持たれてしまう可能性が高いです。

これは逆に言うと、感情の安定性が高ければ、「頼りやすい」という印象を与えることができます。もちろん、悩みや相談の内容によっては、相手が頼ってこない可能性もありますが、普段から頼りやすいという印象を周りに与えておくことは大事です。

感情を安定させるために粒度を上げる

「感情の粒度」を上げることで、感情が安定しやすくなると言われています。
曖昧な感情をより細かく表現できることを、感情の粒度が高いといいます。

例えば以下のように同じ「楽しい時」でも、粒度が高い人は色々な表現をすることができます。

粒度が低い人の表現

楽しい、ワクワクする

粒度が高いの表現

楽しい、ワクワクする、嬉しい、気分が良い、たぎってきた、満たされている、最高だ、心が弾む、高揚してきた、じっとしていられない気分、晴れやかな気分、思考がクリアになる、没頭している感覚だ、などなど

自分の今の感情をより多くの言葉で表現できる人ほど、メンタルが強く、感情も安定しやすく、幸福度も高いことが分かっています。また、人の感情を汲み取る力も上がるので、コミュニケーションの質も高まるでしょう。

このように報連相の質を高めることで間関係が良好に保ちやすくなり、情報共有もしやすくなっていきます。

普段から、積極的に話し合うことができれば、お互いの知識も増えて、属人化が防ぎやすくなります。

まとめ

  • 業務の属人化を防ぐには、報連相の質を高めること
  • 相手への感情移入やリアクションを磨いて、「報告したくなる人」になろう
  • 日常から自分の感情を、より多くの言葉で表現する練習をすることで、感情の粒度が上がる
  • 感情の粒度が上がれば、メンタルも安定しやすくなり、相談や連絡をしやすい人になる
  • コミュニケーションの質が高まれば、業務の属人化も防ぎやすくなる