生産の工程管理において負荷計画を考えるうえで「山積み」と「山崩し」という考えがあります。
「山積み」は必要になる作業人員・資材・機材などの資源リソースがどれくらい必要なのか把握すること「山崩し」は凸凹の山積み表をフラットな状態にすること、いわゆる生産の平準化していくことをいいます。
今回、山積みの表グラフと山崩しの表グラフを混成するグラフをExcelでつくる方法について紹介します。
Excelの標準機能では集合縦棒グラフと積み上げ棒グラフは混成することはできないので裏技を使ってグラフにしていきます。
「山済み」の表グラフは簡易的にはなりますが、出荷数量を生産のリソースと見立て集合縦棒グラフで表示して「山崩し」の表グラフは山崩し数量と生産数量を積み上げ棒グラフで表記したいと思います。
基本データは以下にようになります。
Excel 山積み表・山崩しのつくり方
先ほどのデータを縦棒グラフにするとすべての表が横並びで表示されます。
積み上げ棒グラフにすると、すべてのデータが積み上がります。
グラフの種類を「組み合わせ」にして出荷数量を「集合縦棒」に「山崩」を「積み上げ縦棒」に変更しようとすると出荷数量の方も勝手に変わってしまいます。
出荷数量の「第2軸」にチェックを入れれば「集合縦棒」と「積み上げ縦棒」を選ぶことはできますが、グラフの構成がおかしい状況です。
「集合縦棒」と「積み上げ縦棒」混成させるためには表の形を変更する必要があります。各データの下に空白行を追加していきます。
先ほど追加した行に「積み上げ縦棒グラフ」にしたいデータを追加した下の行に移動させます。
日付部分を結合します。
表を範囲指定して一度、グラフ化したのちグラフを右クリックして「グラフの種類の変更」をクリックします。
「出荷数量」を「集合棒グラフ」にして「第2軸」にチェックをいれます。「山崩」と「生産数量」は「積み上げ棒グラフに変更します。余計な「日付が入っていますがそのままにしておきます。
もう一度、グラフを右クリックして「データの選択」をクリックします。
「日付」の項目は「削除」します。
次に「出荷数量」と「山崩」、「生産数量」を「編集」していきます。(「日付」は削除してください)
「出荷数量」の系列名は「=Sheet2!$C$6」 系列値は「=Sheet2!$C$7:$C$26」を選択します。
「山崩」の系列名は「=Sheet2!$D$6」 系列値は「=Sheet2!$D$7:$D$26」を選択します。
「生産数量」の系列名は「=Sheet2!$E$6」 系列値は「=Sheet2!$E$7:$E$26」を選択します。
横(項目)軸ラベルの「編集」をクリックして日付を設定します。
「軸ラベルの範囲」を「=Sheet2!$B$6:$B$26」に設定します。
以上で基本的なグラフは作成できました。若干、表を調整していきます。
グラフを右クリックして「データの選択」から「山崩」と「生産数量」の順番を変更します。
「山崩」が生産数量の上に表示されるようになりました。
次に、左の軸と右の軸の最大値が違うため「軸の書式設定」から同じ40に変更します。
棒グラフを右クリックして「データラベルの追加」を追加して完了です。
まとめ
以上、グラフの完成です。
通常のExcelのグラフでは 「集合縦棒」と「積み上げ縦棒」の混成はできませんが、Excelの裏技を用いることにより可能になります。
今回は、生産工程で使う「山済みグラフ」と「山崩しのグラフ」のグラフを一緒にしてみました。これにより出荷数量が日々どれくらいあるのか、それに対して「山崩し」により生産の平準化がどのように行われているのかが一目でわかるグラフを作成することができます。
他にも売り上げなど分析にも使えると思いますのでぜひ、試してみてはいかがでしょうか。