Googleフォームには入力した値をチェックする機能や回答に応じて質問を変更する条件分岐の設定があります。
前回の基礎編ではGoogleフォームの初歩的な操作方法について説明をしましたが、大勢の人、数百人、数千人にGoogleフォームで入力してもらうと必ず入力の間違いがあるデータが発生します。
紙で入力する場合は、入力の間違いを防ぐことはむずかしいですがGoogleフォームの場合は、入力した値に対して間違いをチェックする機能があります。
せっかく大勢の人に入力してもらうのですから有効な回答を集めていきたいので、今回は、入力間違いを防ぐ方法や回答によって質問を変更する条件分岐の方法を確認してGoogleフォームマスターを目指していきましょう。
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応用編「記述式」と「段落」で使用できる回答の検証について
フォームの入力形式で短文を入力する「記述式」と長文を入力する「段落」の設定には「回答の検証」のボタンがあります。「回答の検証」は入力値のチェックを行うことができます。
「回答の検証」をクリックすると「数値」の部分をクリックすると「数値」、「テキスト」、「長さ」、「正規表現」が使えます。
■フォームに入力された「数値」をチェックしたい場合
数値を選んだ場合①にて次の条件を入力できます。
「次より大きい」
「次以上」
「次よりちいさい」
「次以下」
「次と等しい」
「次の間にある」
「数字」
「整数」
②にてチェックする値を設定します。
③にてエラーだった場合のメッセージを表示します。
エラーメッセージの表示の例 入力は整数指定の条件にして少数を入れました。
■ フォームに入力された「テキスト」をチェックしたい場合
テキストの場合は
「次の値を含む」
「含まない」
「メールアドレス」
「URL」
の4種類のチェックできます。
メールアドレスのチェックはフォーム入力でよく使われる機能です。
■ フォームに入力された文字の「長さ」をチェックしたい場合
長さの場合文字の
「最大文字数」
「最小文字数」
をチェックできます。
フォームに入力されたデータを基幹のシステム、データベースに入力する場合に文字数の制限がある項目がある場合が多いです。
データを移動する時にエラーが起きないようにフォームの入力時に制限をかけた方がいいでしょう。
「正規表現」でチェックしたい場合
正規表現を使うことで郵便番号や電話番号など高度に入力値をチェックできます。正規表現は一見すると難しく感じますが、覚えるとGoogleフォーム以外にもいろいろな場面で活用できます。ExcelやAccessで使えますので覚えておくと損はない技術です。
社員番号の入力する時の正規表現 例
アルファベットから始まる4桁の社員番号があるとします。
(例) A001
これを正規表現にすると
「[A-Z]」AからZの1文字
「\d」 で数値のみ
「{3}」3桁
これらを組み合わせて「[A-Z] {3}」となります。
次に条件を変更します「次を含む」をクリックして「一致する」に変更します。
パターンに正規表現「[A-Z]\d{3}」を入力して「カスタムのエラーテキスト」にエラー文「入力が間違っています」と入力します。
社員番号と聞かれてまだピンとこない新入社員がいるかもしれませんので、例を表示しておくと入力間違いを防ぐことができます。設定から「説明」をクリックします。
「説明」に「例 A001 英数字から始まる4桁の数字です。」と入力して完了です。
正規表現に合わないとエラー表示されます。
次に郵便番号を入力する時の正規表現 例です。
郵便番号は「000-0000」の形になります。
最初に0から9までの数字「 [0-9]」
桁数「{3} 」
ハイフン「ー」
もう一度0から9までの数値 「[0-9]」
4桁「{4}」
郵便番号の正規表現 [0-9]{3}-[0-9]{4}
社員番号の時のように0~9までの数値のみ 「\d」 を使っても同じです。
\dを使った場合の正規表現 \d{3}-\d{4} になります。
このように正規表現はいろいろパターンがありますので覚えておくといいでしょう。
以上が入力値のチェック方法です。
Googleフォームでせっかくデータ収集をするのですからデータ形式がバラバラだったり入力間違いを少なくするためにも、これらチェック方法を使って間違いを未然に防ぎましょう。
「チェックボックス」の回答の検証
チェックボックスはいくつかあるオプションから複数の項目を選択するものです。「回答の検証」をクリックするとチェックする個数を検証することができます。
条件分岐 回答に応じてセクションに移動する
「ラジオボタン」と「プルダウン」には選択した回答に応じて質問内容を変更することができます。
例えば、健康診断で煙草を吸いますかという質問があるとします。
「ある」と答えた人は次の質問が「1日に何本吸いますか。」と表示します。吸わないと答えた人にとって 「1日に何本吸いますか。」 と言う質問は不要です。質問を飛ばして移動する機能が「回答に応じてセクションに移動する」の機能になります。
次に煙草の例で「回答に応じてセクションに移動する」を設定していきます
質問に「いままでタバコを吸ったことがありますか」と質問を入力して「ラジオボタン」を選択します。質問に「ある」と「ない」を入力して最後に「セクションを追加」をクリックします。
先ほど追加したセクションとは質問に区切りをつけることです。
質問の答えに応じて次の質問を変更したい場合はセクションで区切りを付けて回答に応じて条件分岐を行います。
次に「セクション」のタイトルを入力します。質問内容は続きなので前のセクションと同じ「タバコのアンケート」にします。質問は「現在、タバコを吸っていますか?」と入力して「ラジオボタン」を選択します。
質問に「ほぼ毎日吸っている」、「ときどき吸っている」、「前に吸っていたがやめた」と入力して最後に「セクションを追加」をクリックします。
次にセクションのタイトルに「お酒のアンケート」と入力して質問に「あなたはアルコールを含む飲料を飲みますか?」と入力します。「ラジオボタン」を選択後に質問に「飲む・飲まない」を入力します。
各質問を入力したら最後に「回答に応じてセクションの移動」を設定していきます。
1番の質問に戻り「設定」ボタンから「 回答に応じてセクションの移動 」をクリックします
セクションの設定は「ある」と答えた人は次のタバコの質問へ移動したいので「セクション2(タバコアンケート)に移動」を設定して「ない」と答えた人は「セクション3(お酒のアンケート)に移動」を設定します。
セクションとセクションの間にも設定がありますが今回は何も変更しません。(ここでは無回答の時の移動方法を設定したりします。)
以上で 「回答に応じてセクションに移動」の設定が完了しました。プレビュー画面から画面偏移を確認してください。
事前に入力したURLの取得
アンケートで回答で事前にデフォルト値を入力しておきたい場合があると思います。Googleフォームでは「事前に入力したURLを取得」で回答のデフォルト値を設定することができます。
先ほど作成したアンケートにデフォルト値を設定してみます。
それぞれにチェックを入れて「リンクを取得して」URLを開いてみてください。
開くとデフォルト値が設定されています。
この「事前に入力したURLを取得」 主に使用する場面は、例えば部署名を入力するフォームを作成して 「事前に入力したURLを取得」 します。
人事部と入力して「リンクを取得」をクリックします。
その時、取得したURLがこちらです。マーカー入っている部分が「人事部」という文字です。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeLUYaXzwGar-KU8uTrrw9n-Ht1DW4eddEt7-fv4FNRe_ERBQ/viewform?usp=pp_url&entry.1195511103=%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E9%83%A8
マーカー部分を変更すればデフォルト値を変更することができます。(総務部にした例、日本語でも問題ありません)
これが何に役立つかと言いますとメール配信ソフトを使えば可変で部署名を変更ができることです。その他に、部署名だけでなくや名前なども設定することができますので入力者にとって入力しやすい配慮が可能となります。
まとめ
以上で基礎編から続くGoogle フォームの使い方になります。
紙を配布してアンケートを行うと、どうしても集計作業が必要になります。集計作業の効率化を図る場合に便利なアプリですが、電子アンケートは行う内容によっては、回答率がかなり変わってくる場合があります。
アンケートの内容によって紙と電子の使い分け、もしくは両方を使ってアンケートを行うのもいいと思います。
対象者に負担なく回答してもらいつつ有効なデータを集めていくためにGoogleフォームも活用することをおすすめします。
改善効果・利用頻度